エストロゲン減少による周期的な痛み

こんばんわ!!横須賀うみかぜカイロのたまだです。今日の痛みのあれこれ雑話のテーマは「女性特有の周期的な痛み」についてです。

施術を重ねていくと良くなる場合がほとんどですが、ある周期で痛みがぶり返してしまう患者さんがいらっしゃいます。詳しくお話をお聞きすると、どうも生理周期に関係している模様でした。

こんな研究があります。

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被験者は健康な女性と同年齢の男性各14人(24-25歳)。女性はfollicular phase初期に測定を行った。高濃度食塩水を前脛骨筋に注入し、筋肉痛を起こし、その時の脳内のμ-opioid systemの動態を調べたもの。

左 男性 
上から下へ 側坐核、扁桃体、淡蒼球、視床にμ-opioidの活性化が見れる

右 女性
側坐核は不活性、淡蒼球にわずかな活性が見られるのみ

本来、侵害刺激が加わると痛みを抑えるために、側坐核ー腹側被蓋野を中心とした「ドーパミンシステム」が働きます。

しかし、「follicular phase初期」の女性ではこのドーパミンシステムの機能低下がみられるという研究です。

このfollicular phase初期とは生理周期の内、エストロゲンが減少始める卵胞期に当たります。

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「こそだてハックより」

この時期には痛みの抑制機能が上手く働きづらいので、痛みを感じやすくなる傾向があるようです。片頭痛や主訴以外のその他の筋骨格系の痛みを訴えるかもしれません。

せっかく良くなっていたのに急にぶり返す場合はホルモンバランスにより、ドーパミンシステム=痛みを抑える働きが上手く行かなくなっている可能性があります。

もちろん同じ卵胞期でも痛みがぶり返さない患者さんもいるので、ぶり返すにはそれ以外の要因も考慮しなくてはいけませんが、周期的に痛みが出る患者さんにはこのデータをお見せして、痛みのメカニズムを説明しておけば、患者さんも不要な不安もなくなり、痛みが出ても安心して過ごすことが出来ることでしょう。

妊娠期、出産後、閉経後など身体の変化に伴う女性ホルモンの増減も様々な疼痛に関係がありそうですね。腱鞘炎とか。。
また勉強して新しいことがわかりましたらご報告いたします。

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「慢性疼痛と脳から」



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